【ナイトウェディング2016】第10回 等身大のふたりを表現するナイトウエディングの作り方

2016.6.13 特集

とにかく素敵なナイトウエディングにしたい! そう思っても、いろいろな素敵なアイテム、アイディアの情報が溢れている今、ふたりに似合うものを取り入れていくことは簡単なことではないはず。普段のふたりの魅力そのままに、ゲストを楽しませるナイトウエディングの作り方を、ブライダルデザイナーの木村真里子氏に伺いました。

目次

大人花嫁なら知っておきたい、頼れる「ブライダルデザイナー」

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今回お話を伺った木村真里子氏の名刺には「ブライダルデザイナー」の文字。ブライダルをデザインする、という新しい考え方で数々の大人花嫁をプロデュースしている木村氏に、まずはその意味をお伺いしました。

「好きなもの」より「似合うもの」を見極めるブライダルデザイナー

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「WEBサイトやSNSなどでウエディングに関するたくさんの情報が溢れている今、その選択肢の中で何を選べばいいのかをかえって見失ってしまいがちです。素敵な式がしたい、と考える花嫁さんたちは情報感度も高く、素敵なものを探しているうちに想像が広がっていき、好きだと感じたら色々取り入れたくなってしまう。私はそんな花嫁さん達に寄り添い、冷静な第三者の目でその方に似合っているものを見極め教えてあげる役割です。」(木村氏)
確かに、たくさんの素敵な情報を見ていると、あれも好きだしこれも好き……と目移りして本来のふたりのイメージとは全く違うものを取り入れてしまうのは、“ウエディングハイ”状態故のよくある話。

ふたりのコンセプトに基づき、結婚式を企画・デザイン・制作する「冷静な第三者」

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「おふたりの好きなもの、嫌いなもの、やりたいこと、大切にしたいこと、たくさんのお話を聞けるだけ聞いて、おふたり自身が何を大事にしているのか、何が必要なのか、を整理します。これをやりたいと思っていらしても、それがふたりに似合っているとは限りません。おふたりの根本を知ることで、会場・ドレス・演出・ムービー・フォト……など結婚式のあらゆる場面をおふたりの大事にしたいものに基づき、それに似合うものにトータルディレクションしていきます。」(木村氏)
実際に木村氏には、すでに会場を決定し打ち合わせを始めた花嫁たちからも多くの依頼が。ふたりの思いを最もよく知る「冷静な第三者」として、ふたりに似合うものを都度アドバイスしたり、各打ち合わせの指揮を執ったりし、一つのコンセプトに基づいたセンスフルな結婚式を作り上げているそう。

ナイトウエディングの魅力は「選択肢の幅が広がる」こと

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Table decorations / VirtualWolf

そんな木村氏が語るナイトウエディングの魅力とは。
「デイの明るい時間帯で行われるウエディングは、新郎新婦がゲストの前に出ると自然と目立ち目線が行くので、ふたりを主役にプログラムが進んでいくことが多いです。一方ナイトウエディングは、明るすぎない空間でふたりがいい意味で主張されず、肩の力も抜けてゲストとの距離を縮めてリラックスできる時間帯。ふたりがゲストの側に寄り添って一緒に楽しめるし、行き届いたおもてなしができる、デイとは違う会場や演出の選択肢が広がります。」
ゲストへおもてなしは今や大人のウエディングでは当たり前のこと。でも、「主役のふたりがゲストにおもてなしする」ではなく「ゲストと一緒に楽しむことがおもてなし」という形が実現できるのは、よりリラックスできるナイトウエディングならでは。そして、だからこそ選択できる会場、演出なども、デイでは考えもしていなかった選択肢がたくさん出てくるもの。

【That’s Night Wedding! 1】どんな空間でも素敵なパーティができる

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結婚式というとまず会場探しから始める花嫁が多いのでは? ウエディングができる会場を探すのでなく、思い描くパーティができる空間を探すのが、オンリーワンのパーティにする秘訣。そして、その空間の選択肢が広がるのがナイトの魅力。
「今まで一緒に作ってきたナイトウエディングはどれも結婚式場ではなく、レジデンスだったり、3部屋あるスタジオだったり、ウエディングに結びつかない場所でした。どんな空間で実施しても、楽しいパーティになってしまうのは、リラックスして過ごせるナイトウエディングだからこそ。ふたりがどんなパーティにしたいかを考え、そのパーティを実現できる空間を探すことをいつも心がけています。」(木村氏)

【That’s Night Wedding! 2】シンプルな演出で、「ありがとう」と言ってもらえる

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「私がどんな花嫁さんにも必ずお伝えするのは、パーティ後のお見送りの時、ゲストに『おめでとう』だけでなく『今日は楽しい時間をありがとう』『出会えてよかった、友達でいてくれてありがとう』と言ってもらえる一日になるようにしましょう、ということです」(木村氏)

ナイトウエディングは“シンプル”な演出だけで、そういった時間を作りやすいそう。例えば盛り上がった演出の後は、音やライトを少し落としてその余韻を楽しんでもらう時間にする、パーティ終了前にふと今日のパーティの楽しさやふたりとの思い出を振り返るようなキャンドルの光だけのリラックスタイムを作る……など。改めて「今日は楽しかった」「幸せなふたりを見られて良かった」と実感してもらえる時間を、照明や音響で演出することができてしまう。こういった気持ちを振り返る機会を、木村氏は必ず入れるそう。

【That’s Night Wedding! 3】ナイトで大切にしたい「温かさ」を感じるパーティ作り

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たくさんの演出の幅が広がるナイトウエディング。でもそもそも“夜”は肌寒さを感じたり、夜空の下が少し寂しく感じたりする時間帯。だからこそコンセプトや装飾、演出で大切にしたいのは「温かさ」を感じさせること。
「素敵なライティングやキャンドルなどで、皆が集う会場内を温かく演出してほしいです。野外ならホットワインなどホットドリンクの用意なども効果的。夜はワクワクもするけど、温もりも欲しくなる時間。空間も、演出でも、「温かさ」を共有できる場にすることが大切です。」(木村氏)

どんな時間を過ごしたいか、を軸に自由なコンテンツ作りを

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ウエディングを作るとき、大切なのは「どんな時間をゲストと過ごしたいか」という一点。その考えをクリアに持っているだけで、どんな空間でもできないことはないと断言する木村氏。「例えば博物館のような変わった場所でウエディングをする際、メイクをする控室が無いことも。でもそのおかげでワゴン車を借りその中でお支度をして外から入場するのも楽しい演出の一つに。“ゲストといる時間をこう過ごしたい”がぶれなければ、パーティ空間やプログラムに“こうであるべき”という制限はないのです。」
ここからは、そんな「ウエディングはこうであるべき」という思いを取り外して自由なウエディングを実現した大人花嫁の実例をご紹介します。

【実例1】“みんなで仲良くなってほしい”ゲストの動線を広げたパーティ

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「ホテルで一品一品出るコースのお料理など、きちんとしたサービスでゲストをおもてなししたい」そう相談してきた新郎新婦。深く聞くと「ゲストみんなで仲良くなってほしい」という思いが強くある様子。そこで実現したのは、新郎新婦の横に料理が並び、自由に取りに来てもらうスタイル。ゲスト同士が立ち上がり取りに行く動線や、ビュッフェスタイルで譲り合う一言がコミュニケーションを促し、仲良く過ごせるパーティに。「おもてなし」というと丁寧なサービスでなければ……と思ってしまうけれど、セルフサービスでもコミュニケーションが広がり、楽しい時間のおもてなしに繋げられたことでゲストからも大好評の一日となった。

【実例2】3つの空間を使い分け、ゲストと一体になったフェス風パーティ

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ウエディングの前例がない、月島の撮影用一軒家スタジオを貸し切って行われたウエディングパーティ。新郎新婦の要望は「フェスのような一体感を感じられる一日にしたい」「皆でガヤガヤできるパーティにしたい」

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その思いに沿い、スタジオ内にある3つの空間をパーティスペース、フォトブース&バーカウンター、アーティストライブのスペースに割り当て、自由に部屋を移動して楽しむ形に。image4

パーティ中は、ふたりの仲間のクリエイター達が色々な部屋で様々なパフォーマンスを自由に見せ、ゲストも見たい時に見て盛り上がる斬新なスタイル。クライマックスだけは、新婦の大好きなミュージシャンのライブを皆で体感して、結びつきを強く持てる演出に。ふたりが好きなもの、好きだから大切なゲストに紹介したいものを、ゲストに存分に体感してもらった一日に、ゲストからも興奮と感謝の声が。

【実例3】太陽の位置でコンテンツを進行する、美しいおもてなしパーティ

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ふたりが目立つことは絶対にしたくない、その代わりお料理や会場のディスプレイは自分たちがこだわり抜いたものを用意し、そこに招待することでおもてなしに徹したい。そんな思いを叶えたのが15時から始まり20時まで続いたロングパーティ。会場となったレジデンスから望む、美しい太陽の位置によってゲストへのおもてなしの場所や演出に変化を加えて楽しませる、という高度なプログラム進行が特徴。
まだ太陽が高い明るい時間帯は、広い会場内を行き来しながらBBQやお料理のビュッフェを楽しんでもらう活動的なおもてなし。太陽が沈むにつれて、BGMをムードあるものに変化させ、デザートスペースにゲストが集まったところで映像を見てリラックスムードのおもてなし。決してゲストを故意に注目させるのではなく、おもてなしの場所や太陽の位置、音楽のムードによって自然とおもてなしを楽しんでもらう、大人花嫁ならではのナイトパーティ。

【ブライダルデザイナーの提案】和×ナイトウエディングにトレンドの予感!

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様々なプロデュースを手掛けている木村氏に、今後やってみたいナイトウエディングについて聞くと、和婚という意外な回答が。
「和婚×ナイトはぜひやってみたいです。例えば私の本拠地の京都では、河川敷のお座敷、酒蔵、箱庭、お茶屋さんなどなど、和の風情ある空間がたくさん。そこでランタンなどで温かさを出した庭をお座敷で眺めながらのウエディング……言っているそばからどんどんやりたくなってきました!絶対に素敵になります(笑)」(木村氏)
和婚というと緑が映える和庭園で凛とした花嫁姿……などが浮かぶけれど、夜となるとまた違った風情でゲストを楽しませることができ、リラックスウエディングになりそう。ぜひ検討してみてくださいね。

オンリーワンの結婚式に作り上げるために意識したい2つのポイント

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他にはない素敵な結婚式にしたい、今まで列席してきた結婚式は自分には少し違うかも……そう感じている大人花嫁なら、これから紹介する2つのポイントを意識してみて。木村氏が常に新郎新婦に伝えているというこのポイントは、ふたりだから出来るまたとない一日を作るヒントになるはず。

【ポイント1】“ふたりらしさ”はこれから! お互いの「自分らしさ」を魅せること

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「最近は、結婚式で“ふたりらしさを出す”という言葉が多いですが、お互い別々の人間が結婚したばかりなのに“ふたりらしさ”が分かるのはまだこれから。結婚式は無理にふたりの交わるところを探し出そうとせず、新郎新婦それぞれの自分らしさを紹介する場にすると、よりオンリーワンの式となっていいと思います。」(木村氏)
結婚式はこれから一緒になるふたりの始まりの会。無理にふたりらしさを求めずお互い持っている自分らしさをぶつけ合い、それが未来のふたりらしさに繋がる機会となればそれが最高の結婚式に。ふたりの持っている「自分らしさ」をゲストに自由に存分に伝えることで、ふたりのことを知ってもらえる、楽しんでもらえる。そこを意識してコンテンツやディスプレイを考えてみて。

【ポイント2】「ウエディング」と思わなければ良いアイディアが浮かぶことも

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※写真は木村真理子氏が主催し京都文化博物館で開催されたBRIDAL EXPO’2014の様子

木村氏のような冷静な第三者が側にいてアシストしてくれることはまだ少なく、実際は会場のプランナーと二人三脚でウエディングを作っていく花嫁が多いはず。そんな花嫁たちが、ふと冷静に“自分の理想のウエディング”を考えるため必要なのは、ウエディングと意識しないこと。
「ドレスも装飾も演出も、“ウエディングだから”と考えるより“自分は何を良いと思っているのか”を考えて選ぶべきです。多くの会場では、ブーケ、ドレス、装飾、演出……など全てがウエディング仕様で紹介されているので、普段の自分を見失って本来の好みとは少し離れた選択をすることも。例えば、誕生日パーティを開くならどうするか、どういったことを演出すれば喜んでもらえるだろうか、どんな服着て過ごそうか……などもっと身近なパーティとして考えてみてください。選択肢が広がり色んなアイディアが浮かんでくるはず。」(木村氏)
素敵な結婚式をしたいと考えるあまり、普段とは違うことを求められているような気がしてしまうけれど、大切なのはここまで築き上げてきた自分の価値観。自分が普段から良いと思っているものを、ナチュラルに取り入れゲストに喜んでもらえれば最高の一日に。

from BLESS編集部

「ふたりの価値観の延長線上にあるウエディングパーティを」結婚式は会場探しから式当日まで、ふたりにとって初めてな経験ばかりで、悩んだり悩んだ末に何がいいか分からなくなることも。そんなときは、ウエディングの枠にとらわれずふたりが良いと思うものを凝縮した時間にしてみて。そしてその魅力が存分に発揮できる一つの形がナイトウエディング! ぜひふたりに似合うナイトウエディングに挑戦を。

ブライダルデザイナー 木村 真里子

自身の結婚式をきっかけに「結婚式をもっとお洒落に、自由に、意味のあるものにしたい」という想いを抱き、「cotokon」を起ち上げる。花嫁の魅力を最大限に引き出すことにこだわったアイテムの制作から、結婚式のプロデュースまで、ブライダル全体をデザインする。

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BLESS編集部

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BLESS編集部です。感謝あふれる結婚式をつくるお手伝いがしたいです。


TOP画像出典: kikoli.sakura.ne.jp